1)位置と運動の相対性
○一つの物体の位置
単独の物体の位置というものは無い。空間に1点が存在するだけで、位置も運動も不明である。位置とは他の点との相対的な関係である。運動に関しても同じことが言える。単独の点の運動などというものは存在しない。運動もまた他の点との相対的な関係である。

空間が、空間と異質な物質によって領域を占拠されると、点(他の空間と区別できる小さな領域)が生まれる。空間の領域が区別できるようになるからである。
この点の位置も、運動も不明である。
位置や、運動は他の点との相対的な関係で
しかないからだ。 |
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空間が別の物質によって領域を占拠されると、2点の関係から位置と運動が生まれる。 |
○過去の位置
過去の位置に対して、今の位置が違うということがあるだろうか。それは俯瞰して想像する人が考える、神の原点が存在するからである。つまり空間にある一つの物体には、位置も運動も存在しない。基準となる、別の物体なり、その他の位置を決める点なり、など別の位置が無ければならない。
一つの物体に対して、人が想像する、俯瞰する神の視点、原点を考えてはならない。
一点しかない物体の過去の位置に対する今の位置と、運動などというものは無い。それは俯瞰する神の視点を考えるからである。
(元の位置に他の物質を想像してはいけない)
一つしかない物体は位置もないし、運動もしない。
質量との関係
点を物体とした場合に、質量(重さ)との関係は少しある。慣性系にある2物体A、Bは質量の過多によらずにまったく等価で2点の運動のどちらを基準にしても、(=静止しているとみなしても、)またどんな運動の比率にしても(例:Aが80%、Bが20%の比率で動いている=2点以外の他の点を静止しているとみなしても)起こる事象には変わりが無い。近づき、すれ違い、遠ざかるだけである。
起こる事象に変わりが無いとは観察者がどちらかの物体と同じ運動をしていても、どちらとも違う運動をしていても、物体が衝突するときは衝突する。また2つの物体が作る速さが変わることは無い。
質量が問題となるのは、お互いの重力圏に
物体が近づいたときである。
質量重心を中心とした系が生まれる。
系とは思考の範囲である。
互いに加速度運動をして、質量重心を中心とした
遠心力が発生する。
事象に変化が現れるのは、2点がお互いの重力圏内に入り、加速度運動するときだけである。その場合は質量の比率により、その2点の系の、加速度運動の比率が決定する。
その場合の系の基準は質量比による2点の中点(重心)である。その中点を基準にした思考=系が生れる。
○速さって?
2つの物体が作る速さってなんだろう。距離はどこから? 時間は何処の? 相対性理論の一部であるローレンツ変換を考えなければ、観察者が何処にいても、時間も距離も同じである。
相対性理論によるローレンツ変換の影響はここでは考えない。この理由は後から述べる。
○出会い(衝突、邂逅)が必要
出会いがなければ、何も起こらないということも書いておきたい。観察や反応する(事象、事件が起こる)ためには、波が到達するか、物体が接触する(あるいは重力圏に入る)ことが必要だ。波は光である必要はない。こうもりや、潜水艦が音波を利用してどこにものがあるかを見極めている。また波を利用しなくても、物体が物体に触れて、つまり触覚を使い状況を判断する動物も多い。
出会い(衝突、邂逅)が無ければ事象は
生まれない。少なくともお互いの重力圏に
入ることが必要である。
出会いは物体どうしだけではない。
波と物体の出会いもある。
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