U.様々な考え

6)物質の体積
空間の領域は体積を持ちます。何も無い空間でも体積を持つことが出来ます。それこそが空間の広がり、つまりは空間なのです。何もない体積の広がりが空間です。
同じように物質も体積を持ちます。物質の体積と、空間の体積はどんな違いがあるのでしょうか。数学では線と線分と言う表現をします。線は無限に広がる直線でその両端はありません。線分は線の一部で両端があり長さがあります。空間と領域がこれに相当するでしょうか。ただし領域は体積がありますが、便宜的(論理的)に境界を決めただけで、その領域はどこへでも想像の上で移動することが出来ます。また例えば長さを測った紐と言う物質などで辺をくくり、領域の広がりと位置にしるしをつけることが出来ます。
一方、物質の体積は実存在です。他の物質や光などにより、その物質の占める領域を区別することが出来ます。光や、他の物質との間で結界を張り領域を主張します。その領域こそ物質の体積です。そして物質の体積の中で重要なことは、その領域(体積)が一体となって運動することだと考えています。空間の領域が結界を張り一体となって運動する、これが物質の重要な本質だと考えています。場の波や、ソリトンとの極めて重要な違い、特質ではないでしょうか。気体や、液体ではそれを構成する分子(原子)が一体となって運動しています。
素粒子は界面を作るのか勉強不足ですが、観察されるのだから物質や、場と干渉することは明らかです。原子は結界を作り、体積を持ちます。分子はさらにその原子同士が結合し一体となって結界を造ります。原子と分子くらいの境界から構造物と言う考え方ができると思います。その構造物は結合を運動エネルギーによって破壊できます。この点が運動エネルギーによって破壊できない素粒子の世界との大きな違いなような気がします。これは一体性を成す結合の強さだけの違いかもしれません。そうして鉄筋コンクリートのビルが出来上がっていきます。有機物は炭素を中心とした化合物です。核酸は遺伝子情報の螺旋状の化合物です。タンパク質があり、生命を形作ります。
一体となって運動することは非常に重要だと考えています。私は宇宙に対する運動は存在しないと、つまり宇宙に対する位置は無い(宇宙に対する位置が変わらないから、宇宙に対する運動も無いと言える)と述べていますが、方向は絶対存在だと考えています。そしてそれを端的に表す自転、方向が変わる運動には一体となることが欠かせないからです。これこそが宇宙に対する唯一の運動ではないかと考えています。また物質の一体性を作り出すため、一体性だからこそ、この唯一の宇宙に対する運動が深くかかわっているような気がします。物質の起源、波や、ソリトンとの違いがこのあたりにあるような気がしています。

7)経験則(100回試行)と定理
振り子の等時性、周期運動の等時性は定理ではない。101回目も同じだろうと言う経験則に過ぎない。
100回試行して同じ結果が出るから101回目も同じ結果になるだろう。これは定理ではない。定理はより強固に感性に絶対真実だと訴えかける。1+1=2が示すように、系の外から一つ持ってくれば一つ増える。あるいは系の中で生まれれば増える。
経験則と、1+1=2のような定理ではないが、より強固に感性に訴えるものと分けて考えたほうがよい。
周期の等時性は経験則であり、遠望(=宇宙の果て、近傍の反対語の造語)では保証されないような気がする。一方1+1=2はどんな世界でも通用するような気がするのは私だけか。